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「かには鮮度が命である」ことは、間違いありません。
でも、鮮度の悪いかにって、見たことがありますか?
この道30年のベテランバイヤーが言いました。
「基本的には、鮮度の悪いかにはない」と。ちょっと予想外の答えかもしれませんね。
つまりこういうことです。
市場に流通するようなかには、少しでも鮮度が悪ければ成り立たないとか。
もし、鮮度が落ちればすぐにいやな臭いがしだして、商品としての価値がなくなるそうです。
じゃあ、どんな方法で鮮度を保っているのでしょうか?
鮮度を保持する方法のひとつに、ロシアやカナダ海域で獲れたかにを生きた状態で生け簀に入れて日本まで運ぶ方法があります。
お店の水槽に入れられて、「活けがに」としてメニューにのぼります。
お客さんの人気も高く、お店の看板メニューにもなっているところもありますよね。
近頃では「活け」という付加価値をつけるために、今までなら冷凍していたかにを生きたまま日本へ持ち帰って、「活けがに」へと回されているケースも多いとの事。
それだけ「活け」への人気が高くなっている証拠でしょうか。
鮮度だけなら「活けがに」が一番かもしれません。
ただ、水揚げしてからの時間がどれだけ経過したかが重要になってきます。
生け簀の中では餌を与えないので、長期間そのままにしておくと身が痩せ細り、味も当然落ちていきます。
「活けがに」は、獲ってから食べるまでの時間がポイント!と言えそうですね。
かには、水揚げ後、死んだその瞬間から素早く鮮度が落ちていきます。
そのままにしておけば、どんどんと傷みだし甲羅の裏が黒ずんできたりします。
他の鮮魚と同じように冷蔵庫へ入れただけでは劣化が止まらないくらい、かにの身は繊細で、鮮度の逃げ足が早いのです。
だから、水揚げしてその姿のまますぐに冷却するか、甲羅から脚を外してから冷却するのが基本との事。
このように、獲れたての鮮度を保つためには、水揚げしたあといかに素早く処理するかが大事になります。
船上にて瞬間凍結させたかには、マイナス30度以下の氷のタイムカプセルに収められた状態になり、“鮮度”の時間が止まったことになるのです。
冷凍したかには痩せ細る心配はほぼありません。
解凍するその瞬間まで、身もしっかり付いて鮮度も維持されたままです。
かにの冷凍技術は確実に上がっています。
しかし、ベテランバイヤーの目利きによると、身がパサパサしているかにがあるそうです。そのパサパサの原因は、冷凍するスピードによるのだとか。
凍結させるのが緩慢であれば、脚の繊維質から旨みを含んだ水分が抜け出て、その水分が氷になり蒸発してしまうそうです。
急速凍結することによってそれが抑えられ、みずみずしさを保つのです。
冷凍能力の差が、かにの品質の差!と言ってもいいかもしれませんね。
ベテランバイヤーは、冷凍能力がいかに大事であるかが分かっているからこそ、信頼できる漁船や加工工場からしかかにを仕入れないそうです。
ベテランバイヤーは、買い付けの条件としてカニの品質だけではなく、水揚げ後、かにの鮮度を保持する工夫をしているかをチェックしているそうです。
ポイントは凍結能力の高い漁船であったり、加工処理をする工場の質の高さとの事。
高い冷凍技術があってこそ、獲れたての鮮度と美味しさがそのままに日本へ届けられるのですね。
更にベテランバイヤーがいる卸商社は、加工会社が世界的な食品の衛生管理基準となっているHACCP(ハサップ:食品の安全を確保する管理手法)を認証取得しているかをチェックするなど、安全・品質面で万全の体制を敷いて、安心できるかにだけを出荷できる体制を整えているそうです。
年末年始に向けては、刺身用の方から売り切れていく傾向があります。
やはり、人気が高いのが刺身で食べられるかにのようです。
大手通販サイトでは、大量の広告を投下し 「早割」をアピールして、年末をシーズンターゲットとして早めに売りたがっています。
ベテランバイヤーによれば、あまり「早割」に踊らされなくても、刺身で食べられる“鮮度ある”かには、小さな通販会社にはまだまだたくさんあるそうです。
有名なかに通販会社でさえ、バイヤーがいないところもあるとか。
できれば単に、安いだけが売りの通販サイトに惑わされずに、本物のかにを扱っている通販サイトを選びたいですよね。
私たち消費者も目利き力が必要かもしれません。
「活けがに」をお店で食べられるとすれば、とても贅沢なような気がします。
もちろん活かすための手数もかけているので、値段も高価格になっています。
それと比べれば、信頼できる通販サイトの冷凍かになら、鮮度があるかにをリーズナブルに手に入れることができます。
今は、“鮮度ある”かにをいかに保持するかが大事で、本物のかにを扱っている会社しか、生き残れない時代となっているようです。
かにのことをよく知っている凄腕バイヤーの目利き力が、仕入れるかにの味や品質を左右していることを私たちも知るべきかもしれません。
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