どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

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「カニカマ」って聞くと、どんなイメージがありますか?
かにの代用食材、かに風味、まるでかにのよう、安価で美味しいかに……。
今ではすっかり日本の食卓に定着していますよね。
でも、かにとは全く違う中身のことや、いつ頃誕生したのかなど知らないこともたくさんあります。
かにが大好きな日本人が生み出したカニカマですが、現在では日本のみならず、世界中で大人気だそうです。
「国民食」を超えて「世界食」としても受け入れられている「カニカマ」の人気の秘密を探ってみましょう。

アイデア商品「カニカマ」は、 日常の食卓に定着

どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

カニカマは安価なものから高級品まで幅広く商品が販売されています。
技術的にもどんどん進化して、高級なカニカマの中にはかにの剥き身と比べても、見た目も食感もほとんど変わらない高いレベルのものがあります。
しかも、高価なかには、毎日食べたくてもなかなか食べることはできませんが、カニカマならスーパーで安く買うことができるので、どこの家庭でも食卓にのぼりやすいですよね。

本来ならかに身を使いたい料理でも、カニカマで代用すればリッチなメニューに変身します。
カニカマは、野菜サラダや酢のもの、麺類など、様々な料理にとても使い勝手のいいアイデア商品と言えるでしょう。

日本だけじゃない! 世界中に広がるカニカマ人気

どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

日本の食卓にすっかり定着しているカニカマですが、今や海外でも大人気で、日本とは違った進化をし続けています。
フランスやスペインでは「SURIMI」と呼ばれて、サンドイッチにはさんだり、サラダに入れたりするのが定番に。

イタリアンや中華、エスニックなどの料理にも使われています。 アメリカでも「Crab stick」と呼ばれて商品化しています。
さらに、東南アジアでもカニカマ人気が高まり、中国や韓国はもちろん、タイでもシーフード料理や寿司ネタの高級食材としてカニカマが使われているそうです。
世界中に広がる人気の理由は?といえば、日本食ブームに乗って広がっていったようです。
また世界的な健康志向もあり、魚や野菜を中心とした和食や寿司にカニカマが使われたりしています。
このように、カニカマはその国々で新しい食材として受け入れられて、自国料理の新メニューとして定着しつつあるのです。

カニカマは、古くて新しい食べ物。

どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

カニカマのルーツであるかまぼこの起源は古く、平安時代と言われています。
1115年(永久3年)に「類聚雑要抄(るいじゅうぞうようしょう)」という古文書に、祝宴の膳に蒲鉾(かまぼこ)が出されたと載っているのが最初です。
その後、カニカマが誕生するまで長い時代を辿り、およそ850年後の1970年代前半にカニカマが誕生しました。
一説には、1972年に石川県の水産加工メーカーであるスギヨが、蒲鉾を細く切って香料を添加して着色した商品「珍味かまぼこ・かにあし」を発売したのが日本最初のカニカマとしています。
その他にも、広島の大崎水産説やマルハ説など、カニカマ発祥の地は諸説あります。

カニカマって、かにが入ってるの?

どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

カニカマとは、正式に言えば「かに風味かまぼこ」のこと。
つまり、かまぼこをかにの風味と食感に似せたものです。
スケトウダラのすり身が主原料で、赤い色付けをする着色料とカニの風味付けをする香料が入っています。ほとんどのカニカマには、かにの身は入っていません。
カニカマのいちばんの特長は、カニの足のような繊維状の見た目と食感です。
いろんな食品加工メーカーがカニカマにこだわった開発を続けており、今では「もはや、かまぼこではない」と、プロが本物のかにと判別できないほどの高級カニカマも誕生しています。
一方、カニカマとは異なり、本物のカニを使っている「かにしんじょ(う)」(真薯)をご存知でしょうか?
「しんじょ」とは、かにや白身魚のすり身を使った練り物で、中には原材料の50%が本物のずわいがにを使ったものもあるそうです。カニ好き、カニカマ好きなら、一度は試してみたいですね!

かにとカニカマ、どっちがお得?

どんなに似ていても、カニカマはカニカマ。かにはかに。

カニカマは、見た目も食感も、まるでかにと変わらなくなるくらい、進化し続けています。でも、カニカマがいくら進化しても、新鮮で美味しいかにの代わりにはならないでしょう。
たとえば、モノマネタレントが本物の歌手より上手く歌うから、もう本物は聴かなくていい、とはならないはずです。
ファンが贔屓の歌手のステージを観にいくのは、単に上手い歌が聴けるからだけではないはずです。
磨いてきた人生や曲に込めた思い、時には人柄など、その歌手のストーリーが歌と一緒にファンの心に届くから、感動を呼ぶのです。
もちろん、モノマネはモノマネで、本物とは違った楽しみ方があります。
つまり、かにとカニカマは、それぞれ違った方法で幸せを提供しているのです。
かにとカニカマは、どっちを選べば得か?じゃなく、みんなが笑顔になれるように、暮らしのシーンに合わせて選べば、どっちも得!ではないでしょうか?

まとめ

普段の食卓にカニカマが出れば、ちょっと嬉しくなりますが、実家に帰った時のご馳走がカニカマだったら、どうでしょう?
やっぱり、帰省や家族が集まる特別な日には、“鮮度ある”かにが目の前にあった方が、テンションもあがり、贅沢な気持ちにもなれます。
カニカマとかには、日常と非日常のようなもの。両方をちゃんと棲み分けられる食材でもあります。生活のシーンや家族の行事などケース・バイ・ケースで食べ分けるのがグッドな食べ方ではないでしょうか。

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