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そういえば、「かに」の脚の正しい本数って何本なのでしょう。
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一般的なかに「ずわいがに」や「毛がに」の脚は、お腹側面から伸びており、「5対10本」あります。一番前の一対はかにのシンボルである「はさみ」になっています。
はさみは、餌を取ったり敵を威嚇したりするために使います。オスでははさみの大きさである程度の年齢が分かるそうですね。
あと残りの8本の脚は、歩くために使われることが多いです。
脚の先は鋭いつめのようになっており、海底の岩や砂などをひっかけて歩くのに適しています。また、「かに」の脚は付け根がそれぞれ近い場所にあるため、前後に動かすと脚同士がぶつかります。そのために、かには横歩きをで移動します。
「ずわいがに」や「毛がに」は、それぞれに毛のようなトゲが密集していたり長い脚を持っていたりと異なった特徴がありますが、彼らの祖先は同じ「かに」であると言えます。
しかし、「たらばがに」はすこし様子が違います。体の形も何となくずわいがに等とは違いますし、上から見るとまるで8本脚のように見えます。残り2本(一番後ろの1対)は、甲羅の中にあり、他の脚と比べてもサイズも小さいです。
たらばがにはお腹の中や甲羅の中の掃除をする時にこの小さな足を利用しているようです。
また、たらばがには、ずわいがになどど違い、なんと「縦に移動する」ことがしばしば目撃されているらしいのです。
同じ「かに」なのに、なぜこのような差があるのでしょう。
じつは、たらばがにはその特徴から「やどかり」の仲間とされています。冷たい海で取れる「かに」、しかも高級食材ではあるのですが、祖先は「ずわいがに」等とはちがうのです。
一見、たらばがには、ずわいがに等とは足の数が違う以外は違う種類の生き物にはみえません。
これは、たらばがにとずわいがに、違う祖先をもつ生物が良く似た環境で似た形態に進化したためで、生物学的には「収斂(しゅうれん)」という現象だそうです。
ほかに、たらばがにのように「かに」と呼ばれているものでも「やどかり」を祖先にもつものがあります。種類は少ないですが、「花咲がに」「やしがに」などがそれにあたります。高級食材として珍重されている「かに」です。
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いずれにせよ、祖先は違えど、同じ海で育ったそれぞれ特有の美味しさには遜色はありません。興味があれば、たらばがになどの甲羅をはずして小さい脚を見ることは素人でも可能ですが、それはそれ、豆知識として、知っておくのも面白いことでしょう。
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